行一念義(ぎょういちねんぎ)HEADLINE
【題意】
称名の初一声に大利を得るという義について窺い、称名と諸行とを対比して、本願の法こそが最も易しく最も勝れた法であることを明らかにする。
○「行」自力聖道門では衆生が身口意の三業を造作し涅槃の妙果
に進趣する。絶対他力を説く真宗では「行」とは「行文類」
に説かれた大行であり名号。
○「一」=最初
○「念」=称念
○「行一念」=仏回向の名号が、衆生に領受(信)されて、
それが称名となって活動する最初の一声という意味。
○「信の一念」=信心開発の最初の時に、往生成仏の往因円満
する義を明らかにする。
○「行の一念」=名号が衆生の声となって活動する信心獲得後の
最初の一声。その一声のところに無上の功徳と大きな利益
(無上大利)を具すと説かれる。「信の一念」が時間的には前、
「行の一念」が後。
【結び】
行一念釈は、本願の念仏が諸行に超え勝れていることをあらわす。これは、名号のはたらきを念仏のところで語ったものであり、称えるという行為によって利益を得るというのではない。
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