十念誓意(じゅうねんせいい)HEADLINE
【題意】
第十八願には、「至心信楽欲生我国乃至十念」と誓われている。「至心信楽欲生我国」とは、至心・信楽・欲生の三心、つまり信心であり、「乃至十念」とは称名念仏のことである。私たちの救いの成立は、信心一つで満足しているのに、なぜ本願に称名念仏(乃至十念)が誓われているのか阿弥陀如来のお心をうかがう。
【結び】
称名念仏とは、その本質からいえば、阿弥陀如来の救いの力・はたらきそのものの活動しているすがたであり、称える心持ちからいえば、如来の救いの中におさめとられているという感謝の心、喜びの心の発露以外のなにものでもなく、決して称えるという行為を救われるのに役立たせようというものではない。
他力の信心をいただいたすがたとしてたもち続けられる念仏」とは、数多くとか、長期にわたって称えられなくてはならないとかいうものではなく、誰にでもたやすくたもち続けられるものとしてあるところに、本願に「乃至十念」と誓われている意味があり、そこに、阿弥陀如来の大慈大悲のおこころがあらわされている。
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