往還分斉(おうげんぶんざい)HEADLINE
【題意】
真宗教義の骨組みを形づくる往相回向と還相回向の二種回向について、両者の位置づけの混乱から生じる誤った見解におちいらないよう、往相と還相の位置づけを明確にする。
○往=往生浄土の相。浄土に往生してゆくすがた。
○還=還来穢国(げんらいえこく)の相。
(穢土=迷いの世界に還ってくるすがた)
○分斉=意義の範囲
○「往生者則難思議往生也」(行文類)
・難思議往生 ー他力念仏による真実報土への往生。第十八願。
・難思往生 ー自力念仏による方便化土への往生。第二十願。
・双樹林下往生ー自力諸行による方便化土への往生。第十九願。
【結び】
往相とは往生浄土の相であり、往生とは命終わるその時に迷いの生を捨てて悟りの生を得るという事態。還相とは還来穢国の相であり、往生即成仏の証果を得おわった後の自在の救済活動をいう。両者の位置づけを明確にして、宗祖においては現生の往生や信後の還相が成り立ちえないことを確認しなければならない。
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