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浄土真宗本願寺派 善教寺

釈迦如来(お釈迦様、釈尊、釈迦牟尼世尊、世尊)HEADLINE

お釈迦様の生涯

 約2500年前、北インドの釈迦族の王子として誕生。生まれるとすぐに七歩歩いて「天上天下唯我独尊」(私の命は、天にも地にも、この世の中に一つしかないかけがえのない尊い命である。)と言われた、とされる。

〜「七歩歩く」とは「六道」を超えたということを表す。
  六 道
 1.地獄(苦しみのきわまった世界)
 2.餓鬼(飢え渇きに苦しんでいる世界)
 3.畜生(恥を知らない世界)
 4.修羅(争いの世界)
 5.人間(煩悩にふりまわされている世界)
 6.天人(かぎられた喜びの世界)

 幼少の頃から国王になるため学問や武芸を学ばれ、優れた才能を発揮される一方、感受性が強く、物事を深く考える性格に育っていかれた。

 「樹下思惟」
 農耕祭で、人々がくわで畑を耕していた時、掘り起こされた土の中から虫が出てきた。その虫を小鳥がついばみ、さらにその小鳥を鷹がくわえて飛び去った。生き物が互いに命を奪い合う光景を見て心を暗くされ、樹の下に座り、もの思いに沈まれた。

29歳の時、「四門出遊」も契機の一つとなり、出家された。
 「四門出遊」
 カピラ城の東南西北の門から外に出られた時の光景。
  東の門…体の衰えた老人
  南の門…病気に苦しむ人の姿
  西の門…死者を送る悲しい行列
  北の門…気高い修行者

 6年間の修行生活に入られ、瞑想、苦行をされ、一切の食物を断つ苦行もされたが人生の苦しみの解決は得られなかった。苦行を止める決心をされ、尼連禅河で沐浴をされたとき、たまたま通りかかった村娘のスジャータから乳がゆをほどこされる。乳がゆを食べられた後、菩提樹の下で瞑想に入られた。瞑想中、悪魔が現れ、お釈迦様がさとりを開くのを邪魔したと伝えられている(降魔成道)。
 35歳の時さとりを開かれ、お釈迦様はブッダ(さとった者、真実に目覚めた者)になられた。
 さとりを開かれた後、自らさとった内容を人々に説くことを悩まれたが、サールナートにある鹿野苑で最初の説法(初転法輪)をされた。その最初の説法の内容は「四諦八正道」だと言われている。

 
四諦(四つの聖なる真理)
◎苦諦(くたい)・・・現実世界(迷いの世界)は苦(思い通 りにならない)であり、人生は不安に満ち、悩みもつきず、肉体
 的にも精神的にも思い通りにならない。集諦の結果。
  
四苦八苦
 ・生(しょう)・老(ろう)・病(びょう)・死(し)
 ・愛別離苦(あいべつりく)…愛するものと別れる苦。
 ・怨憎会苦(おんぞうえく)…怨み憎むものと会う苦。
 ・求不得苦(ぐふとっく) …求めても得られない苦。
 ・五蘊盛苦(ごうんじょうく)…心身をもった人間には苦が決し               てなくならない。

◎集諦(じったい)・・・苦を引き起こす原因。苦の原因にか かわる真理。渇愛という根源的な執着の心が苦諦という現実を引
 き起こす。

◎滅諦(めったい)・・・苦を滅ぼした安楽の境地を示す。渇 愛を滅して苦から完全に離脱した状態。迷いを離れたさとりの
 境地。涅槃(ニルヴァーナ)。道諦の結果。

◎道諦(どうたい)・・・涅槃に到るための実践道についての 真理。滅諦獲得の因。苦を解体する原因。
  
八正道
 ・正見…正しい見解(因果論を認め四諦などの教えを信じる。)
 ・正思惟…正しい思考(貪りの心、怒りの心から離れる。)
 ・正語…正しい言葉(嘘、悪口、粗暴な言葉を避ける。)
 ・正業…正しい行為(殺すこと、盗みなどの悪事をしない。)
 ・正命…正しい生活(戒めを守り、健全な心で生活する。)
 ・正精進…正しい努力(八正道に努め励む。)
 ・正念…正しい憶念(教えを保って忘れない。)
 ・正定…正しい瞑想(教説について精神を統一する。)
   
八正道=不苦不楽の中道


 お釈迦様はさとりを開かれた後、80歳で亡くなられるまで45年間伝道の旅を続けられた。旅の拠点としては竹林精舎(仏教最初の寺院)や祇園精舎(平家物語冒頭)が有名。80歳の時、お釈迦様はこの先のことを不安に考えている弟子のアーナンダに「自灯明 法灯明」についての説法をされた。
 その後、クシナガラで力尽きられ、沙羅双樹の間で、頭を北、顔を西、右脇を下にして入滅された。お釈迦様の最後のお言葉は「すべての存在は移ろいゆく。汝らは怠ることなく、努め励めよ。」であったと伝えられている。


 お釈迦様の教えは口伝であり、釈尊入滅後、経典編纂のための会議がマハーカッサパ(摩訶迦葉)のもと行われた。この時500人の弟子がラージャガハに集まり、阿難が釈尊の教えについて「釈尊はこういう時にかく語られた。」と他の弟子たちの承認を得た。そのため経典は大抵「如是我聞」や「我聞如是」で始まっている。(第一結集)




 

因縁生起 いんねんしょうき(縁起、因縁)

 釈尊のさとりの中軸であり、仏教の基本的なもののとらえ方。
ものごとに偶然は存在せず、様々な要素や条件が集合しておこるという因果律。縁って起こること。
   因 =直接的要因
   縁 =間接的要因
   生起=因と縁によって生じる結果

 縁起を説いた釈尊の言葉。
これあるが故に彼あり。これ生ずるが故に彼生ず。
これなきが故に彼なし。これ滅するが故に彼滅す。





三法印 さんぼういん

 釈尊の教えの旗印(法印)。仏説の特徴を簡潔に明示し、世界の仏教共通の旗印であり立脚点。

  
 諸行無常印(しょぎょうむじょう)
あらゆるものは常に変化してとどまることなく、生じたものは必ず滅する。すべてのものが原因や条件の制約の中にあり、諸条件に左右されて永続しない。

 ○日本文学で表現された諸行無常観
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」

「ゆく川の流れは絶えずして しかも 
  もとの水にあらず」


  
 諸法無我印(しょほうむが)
あらゆるものに、我などは存在しない。あらゆるものは我ではない。自分の心でさえも思い通りになるものは何もない。我でないものを我であるかのように執着しない。

  
 涅槃寂静印(ねはんじゃくじょう)
最高の境地。永遠の静寂、究極の安穏の世界。煩悩が全くなくなったさとりの境地で、全てを慈しみあわれむ仏の活動が伴う。仏教徒が目指すべき理想の境地であり目標。

 ○「無常偈」の翻訳歌
 〈前半は諸行無常印、後半は涅槃寂静印〉

 色は匂へと散りぬるを、我が世、誰ぞ常ならむ、
 有為の奥山今日越えて、浅き夢見し、酔ひもせす





    
一切皆苦印(いっさいかいく)
人間の世界、人生は苦(思い通りにならない)である。全ては無常(常に変化し移り変わる)であり、無我を我と誤認し執著する。

         ※「一切皆苦印」を入れると四法印(しほういん)になる。