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浄土真宗本願寺派 善教寺

浄土真宗本願寺派宗制抜粋HEADLINE


前 文
 本宗門の宗祖親鸞聖人は、『顕浄土真実教行証文類』を著し、
龍樹、天親、曇鸞、道綽、善導、源信、源空の七高僧の釈義を承け、『仏説無量寿経』の本義を開顕して、本願名号の真実の教えを明らかにされた。
 本宗門は、その教えによって、本願名号を聞信し念仏する人々の同朋教団であり、あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献するものである。

 第1章 本尊
 本宗門の本尊は阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)一仏である。
 教法弘通の恩徳を報謝するため、宗祖、七高僧、聖徳太子及び歴代宗主の影像を安置する。

 第2章 聖教
 本宗門の正依の聖教は、次のとおりとする。
 一 浄土三部経
    仏説無量寿経
    仏説観無量寿経
    仏説阿弥陀経
 二 七高僧の撰述
    十住毘婆沙論 (龍樹)
    浄土論 (天親)
    往生論註、讃阿弥陀仏偈 (曇鸞)
    安楽集 (道綽)
    観経疏、法事讃、観念法門、往生礼讃、般舟讃 (善導)
    往生要集 (源信)
    選択集 (源空)
 三 宗祖の撰述
    顕浄土真実教行証文類
    浄土文類聚鈔
    愚禿鈔
    入出二門偈頌
    浄土和讃
    高僧和讃
    正像末和讃
    浄土三経往生文類
    尊号真像銘文
    一念多念文意
    唯信鈔文意
    如来二種回向文
    弥陀如来名号徳

第3章 教 義
 浄土真宗の教義の大綱は『顕浄土真実教行証文類』に顕示された本願力による往相・還相の二種の回向と、その往相の因果である教・行・信・証の四法である。
 教とは『仏説無量寿経』、行とは南無阿弥陀仏、信とは無疑の信心、証とは滅度である。真実の教である『仏説無量寿経』に説き示された南無阿弥陀仏の名号を疑いなく聞く信心によって、現生では正定聚に住し、当来には阿弥陀如来のさとりそのものの世界である浄土に往生して滅度の仏果を証する。
 信心とは、阿弥陀如来の大智大悲の徳を具えた名号をいただくことであるから、往生の正因となる。信心決定の上は、報恩感謝の思いから、仏徳を讃嘆する称名念仏を相続する。これを信心正因、称名報恩というのである。
 教・行・信・証の四法は、衆生が浄土に往生する相であるから、これを往相という。浄土に往生して仏果を得れば、おのずから大悲を起こし、生死の世界に還り来て、自在に衆生を済度するのであり、これを還相という。往相も還相も、ともに本願力回向の利益である。これが自力心を否定した他力の救いであり、すべての衆生が無上涅槃を証ることのできる誓願一仏乗の大道である。

第5章 宗 範
 本宗門に集う人々は、親鸞聖人の行跡を慕い、常に阿弥陀如来の本願を拠りどころとする念仏の生活をいそしんで仏恩報謝に努め、現世祈祷を必要としない無碍の一道を歩むのである。