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浄土真宗本願寺派 善教寺

唯識三性HEADLINE


遍計所執性(へんげしょしゅうしょう)
 凡夫の妄情が因縁所生の法(対象)をとらえ、実我・実法と
 誤認する迷執の相。誤認の世界。歪めたすがた。

依他起性(えたきしょう)
 因縁和合して生起する色心の諸現象。仮そめのすがた。

円成実性(えんじょうじつじょう)
 我法二空によって顕現する真如法性そのもの。真実真理。
 依他を依他たらしめている真理。


心王(心の主作用)

第一識 眼識
・・・色と形
第二識 耳識・・・音声
第三識 鼻識・・・香り
第四識 舌識・・・味
第五識 身識・・・感触

第六識 意識…前五識の情報をもとに認識を行う。第七識の末那識を拠り所しており、「意(末那)による識」で意識。

第七識 末那(まな)識…我執の本源。我癡・我見・我慢・我愛の四煩悩と相応し種々の悪業を造り生死に輪廻する。

第八識 阿頼耶(あらや)識…諸法生起の根本識であり、有情総報の果体。依他起性。これを第七識の末那識が「実我」と執着し妄分別する。第七末那識が第八識の阿頼耶識を我なりと愛執し続けるので、第六識の意識の上においても「わたし、わたし」という強い執われが生じる。


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○唯識とは、「遍計所執性」を遠離して、依他・円成を存す」ということであり、円成の真理を証して、「わたし」という執われに基づく妄想を遮遣し、依他起の相をありのままに見る「まなこ(智慧)」を養う道。
目の前に展開する世界は『自分の識(こころ)が造り出した世界』であるが故に、他者を哀れむ優しい心(慈悲)であたたかい世界を現出させる実行。菩提心を発起し、智慧と慈悲を実践する崇高な仏道。